大阪・関西万博の「日本館」開館式を終え、取材に応じる名誉館長の藤原紀香さん=29日午後、大阪市此花区の夢洲
 大阪・関西万博の「日本館」開館式であいさつする日本国際博覧会協会の十倉雅和会長=29日午後、大阪市此花区の夢洲

 政府は29日、大阪・関西万博に出展するパビリオン「日本館」の開館式をした。ホスト国のパビリオンとして世界の来場者を迎え入れる「万博の顔」は、日本を象徴する循環の文化を表現。円環状の建築や「火星の石」といった展示を通して、来館者自身も循環の中で生かされているとのメッセージを伝える。

 式典は日本館とは別のホールで実施し、日本国際博覧会協会の十倉雅和会長は「命を取り巻く多彩な循環を表現した」とあいさつ。火星の石には水がない限り生成しないとされる粘土鉱物が含まれ「循環は地球だけでなく火星でも起こっているかもしれないというロマンを感じてほしい」と呼びかけた。

 パビリオンは3エリアで構成し、微生物の働きや藻類が持つ可能性、日本が培った循環型ものづくりを紹介する。一つの場所に人やモノが集まる万博の開催意義がインターネットの普及で問われる中、総合プロデューサーの佐藤オオキさんは「リアルの体験価値を最大化する」点を意識したと語った。

 式典には名誉館長の藤原紀香さんも出席し「日本館の魅力を発信したい」と意気込んだ。