乳幼児の誤嚥事故防止のための手引

 こども家庭庁は、新年度となる4月を前に保育所や幼稚園向けに、乳幼児の食べ物の誤嚥を防ぐためイラスト付きの手引をまとめた。入園や職員の入れ替わりの時期は、のみ込む力や食事の際の癖など子どもの特性を保育士らが十分把握できていない可能性があり「重大事故の発生が特に懸念される」として注意を呼びかけている。

 併せて自治体に3月12日付で事務連絡を出し、保育施設や保育士らに周知するよう要請した。

 子どもを預かる施設によっては給食やおやつが提供される。手引は「使用を避ける食材」を三つに分類。餅や白玉団子は「粘着性が高く、のみ込みにくい」、ミニトマトや乾いたナッツ・豆類は「球形や大きさから気道に入りやすく、詰まりやすい」、イカとこんにゃくは「弾力性があり、かみ切りにくい」として注意を促した。

 食事の際は、水分でのどを潤す必要性のほか、食べ物が口に残った状態でしゃべったり遊んだりすると事故につながる恐れがあると指摘した。

 こども庁によると、保育施設などでの死亡や意識不明の重大事故は2018年10月以降、全国で少なくとも11件起きている。