中国が建設を計画している巨大円形加速器(CEPC)の完成予想図=(中国科学院高エネルギー物理研究所の高傑教授提供)

 宇宙誕生の謎を探る次世代加速器について、中国政府が全周約100キロの巨大円形加速器(CEPC)の建設を年内に最終決定する見通しであることが分かった。欧州合同原子核研究所の円形加速器LHC(全周27キロ)を上回り世界最大となる。計画を主導する科学者の一人である中国科学院高エネルギー物理研究所の高傑教授が共同通信に明らかにした。

 科学技術大国を目指す中国は宇宙科学やAIといった分野を強化しており、欧米や日本がリードしてきた素粒子物理学でも先行する狙いがあるとみられる。

 高氏は3月上旬、茨城県つくば市で開かれた加速器関係の会議に出席するため来日。7日にオンラインインタビューに応じた。

 高氏は、CEPC建設を中国政府の中期経済目標「第15次5カ年計画」(2026〜30年)に盛り込みたいとし「政府の最終承認を得るために最善を尽くしている。計画が始まる来年までに決定される」と話した。決定すれば、27年ごろ着工、35年ごろに完成の予定。候補地には長春、湖州、長沙など6カ所が挙がっているという。