【ブリュッセル共同】欧州連合(EU)欧州委員会は26日、紛争や自然災害などに備えるための戦略を発表し、域内の住民に少なくとも72時間分の食料や飲料水などの物資を備蓄するよう呼びかけた。ウクライナ侵攻を続けるロシアによるインフラ妨害工作や、サイバー攻撃などのハイブリッド型の脅威も念頭にある。
戦略は、軍や警察、消防、医療関係者による定期的な演習の実施や、緊急時に必要な物資を製造するための生産ラインの確保などの対策も列挙。フォンデアライエン欧州委員長は「欧州が新しい現実に対応するには、新たなレベルの備えが必要だ」と強調した。
EUは今月、約8千億ユーロ(約130兆円)の防衛費の確保を目指す「欧州再軍備計画」の推進で大筋合意。防空・ミサイル防衛(MD)や弾薬などへの重点的な資金投入を求める白書を公表するなど、ロシアを念頭に防衛力強化に向けた動きを加速させている。