外務省がまとめた2025年版外交青書の原案が26日、判明した。北朝鮮によるロシアへの兵士派遣など両国の軍事協力進展について「深刻に憂慮すべきものだ」と指摘。1月に発足したトランプ米政権との強固な信頼関係を構築すると強調した。中国が威圧的行動を強める台湾海峡を巡っては「平和と安定」の重要性を訴えた。
ロシアと北朝鮮は昨年6月、事実上の軍事同盟復活と評される包括的戦略パートナーシップ条約に署名した。原案は、ロシアが北朝鮮から調達した弾道ミサイルなどの武器、弾薬を使用していることにも触れ、ウクライナ情勢のみならず、日本周辺の安全保障に影響を与えると言及した。
今年2月の石破茂首相とトランプ米大統領との会談に関し、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた緊密連携を確認したと記述。国際社会の課題についてトランプ政権と意思疎通し「日本としての貢献を続ける」と表明した。
対中関係では、沖縄県・尖閣諸島を含む東シナ海や南シナ海での力による一方的な現状変更の試みに触れ「多くの課題や懸案が存在している」と明記した。