太平洋戦争末期の沖縄戦で、沖縄県・慶良間諸島に米軍が上陸し、苛烈を極めた地上戦が始まってから26日で80年となった。座間味島(座間味村)では慰霊祭が開かれ、県知事として初めて出席した玉城デニー知事が「世界の恒久平和を願い、地域の平和構築や相互発展へ、たゆまぬ努力を続けていくことを誓う」と語った。参列者らは惨禍の記憶の継承を誓い、犠牲者の鎮魂と平和を祈願した。
当時、ガマ(自然壕)に逃げて生き延びた、住民代表の高江洲敏子さん(93)は「あの時の私が経験した怖さ、つらさを二度と孫、ひ孫に体験してほしくありません。この平和がいつまでも続きますように祈っております」と語った。
宮里哲村長は「戦後生まれの村民が大半となる中、戦争で起きた悲惨な出来事を遠い記憶に埋もれさせることなく、子や孫に引き継ぐ責務がある」と式辞を述べた。
慰霊祭は山の中腹にある「平和之塔」の前で開かれ、150人余りの住民らが参列した。曇り空の下、時折青い海からの風が吹き抜ける中、黙とうをささげた。