東京地裁の解散命令決定を受け、記者会見に臨む世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の田中富広会長(中央)ら=25日夜、東京都渋谷区の教団本部

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令が確定した場合、裁判所により財産を管理する清算人が選任されるほか、税制優遇も受けられなくなる。ただ解散命令が出されたオウム真理教のように任意の後継団体が存続する可能性はあり、活動実態が見えにくくなるとの懸念が残る。

 旧統一教会は2023年11月、献金被害の訴えが多く上がっていることから、補償の原資として最大100億円を国に供託する案を公表したが、制度的な枠組みはなく宙に浮いたままとなっている。

 解散命令に宗教活動を禁止する効果はなく、確定前の財産処分は法律で規制されていないため、財産が関連団体に流出する可能性がある。

 公安調査庁によると、オウム真理教は、解散命令後も「アレフ」などに姿を変えて活動を続ける。資産や不動産は、信者や実質的に管理する企業の名義で保有しているとみられる。

 文化庁宗務課の関係者は「解散後は旧統一教会の信者が地下に潜り、かえって献金被害が見えにくくなるかもしれない」と危ぶんだ。