太平洋戦争中の空襲で被害を受けた民間人への国による補償が、戦後80年を迎える現在も実現していない中で、東京都世田谷区が独自の支援制度を設けるため、検討を始めることが24日、区への取材で分かった。区によると、支援が実現すれば東京都内では初めて。

 被害者が高齢化している現状も踏まえ、検討会を開いて専門家に意見を求めるなどして、できるだけ早期に結論を出す。保坂展人区長は21日の区議会で「どのような支援ができるのか、具体的な検討に着手する」と答弁した。

 国は旧軍人・軍属や遺族には恩給など総額約60兆円を支払ってきたが、民間人の空襲被害は補償していない。