登校中、手を上げて横断歩道を渡る小学生=長野県須坂市

 日本自動車連盟(JAF)が昨夏、信号のない横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいる際、車が一時停止するかどうかを調査したところ、長野県が停車率87・0%で9年連続の全国1位だった。長野県警交通企画課は「手上げ横断や、停車した車へのおじぎなど交通マナーが定着しているため」と、独自のローカルルールを要因に挙げた。

 子どもや高齢者が横断歩道の前で手を上げ、停止した車に頭を下げる。長野ではよく見る光景だ。信州大の高瀬達夫准教授(交通工学)はおじぎは「運転手の心理に相当効果がある」と分析。「道交法と合致する文化が根付いた」と話す。

 ただ、減速や一時停止は道交法が定める義務で、おじぎは「運転手が道を譲ったと勘違いしてしまう」とマイナス面も指摘した。

 長野に続き、石川(80・9%)、岐阜(75・2%)が高く、最下位は富山(31・6%)。富山県警交通企画課の担当者は「交通マナーアップを1年通して行っていきたい」と話した。