【コスタナバリノ(ギリシャ)共同】国際オリンピック委員会(IOC)は20日、ギリシャ南部コスタナバリノでの総会で会長選挙を行い、トーマス・バッハ会長(71)=ドイツ=の後任に、競泳女子の五輪金メダリスト、カースティ・コベントリーIOC理事(41)=ジンバブエ=を選んだ。第10代会長で、130年以上のIOCの歴史で初の女性トップとなる。アフリカからも初の選出。任期は8年。
IOC委員による投票の1回目で、過半数の49票を獲得する圧勝だった。日本人で初めて立候補した国際体操連盟の渡辺守成会長(66)は落選した。バッハ氏は2期12年の任期を満了し、6月に退任する。
コベントリー氏は「ガラスの天井が今日、打ち砕かれた。ロールモデルとしての責任を自覚している」と所信表明。今回の選挙戦ではバッハ氏が後ろ盾になったとされ、政策面では現会長の路線を引き継ぐとみられる。スポーツ界で論争となっているトランスジェンダー選手の女子競技参加問題については、作業部会を設置する考えを示した。