大阪市のジュンク堂書店大阪本店に並べられた「大阪・関西万博ぴあ」

 開幕まで1カ月を切った大阪・関西万博に、機運上昇の兆しが出ている。2月末に発売の民間ガイド本は予想以上の売れ行きで、開幕直前に会場で実施する予行演習「テストラン」には希望者が殺到。とはいえ効果は関西圏止まりで、全国波及が今後の課題となる。日本国際博覧会協会(万博協会)は、19日の公式ガイド発売による追い風に期待する。

 万博のパビリオンやイベントを紹介する初の本格ガイドとして、ぴあ(東京)は2月27日に「大阪・関西万博ぴあ」を刊行した。ジュンク堂書店大阪本店では売り上げ1位を独走中。川山英樹店長は「ここまで売れるとは想像していなかった」と驚く。

 初版10万部と他のガイド本より大きく構えた上で、既に3刷を検討中。伊奈禎編集長は「紙の本の市場が縮小する中、異例の売れ行きだ」と喜ぶ。

 関心の高まりは、万博会場の運営や動線を確認するテストランにも現れた。府民を無料招待する4月5、6日開催分には定員の8・6倍近い約35万人が応募。万博協会幹部は「これこそサイレントマジョリティーだ」と満足げだ。