【ティンケ共同】ベトナム戦争中の1968年に女性や子どもら504人が米兵に殺害された「ソンミ村虐殺事件」の追悼式典が16日、現場となったベトナム中部クアンガイ省ティンケ村(旧ソンミ村)の記念館で開かれた。今年は戦争終結から50年。参列した生存者や元米兵らは犠牲者を弔い、平和を願った。
68年3月16日の事件では、米陸軍部隊が村を襲撃して無抵抗の村民を殺害した。ベトナム戦争で最悪の虐殺とされる。式典では地元住民や遺族らが献花、涙を流しながら線香を手向ける人の姿もあった。参列者が記念碑に向けて黙とうをささげ、鎮魂の鐘が響いた。
生存者の一人で、米軍の手りゅう弾によって母やきょうだいを目の前で爆殺されたファム・タイン・コンさん(67)=虐殺事件記念館元館長=は取材に、命日を迎えると記憶がよみがえり悲しみが押し寄せてくると強調。「あの日の記憶は心の奥底で消えることはない」と訴えた。
式典では「忘れない」「平和を」とのメッセージを添えた多くのバラも記念碑に供えられた。