少子化や大学入試改革で今、高校を取り巻く環境は大きく変化しています。岐阜県内の高校はどう対応していこうとしているのでしょうか。岐阜新聞デジタルは各校の校長らトップにインタビュー。学習方針や進路対策について考えを聞きました。第12回は華陽フロンティア高校(岐阜市)。通称「華(か)フロ」は多様な生徒が学ぶ定時制と通信制の高校。ことし1月、新校舎で授業が始まりました。県警本部少年課に出向経験もある大和谷淳校長(55)は「学校を生徒たちの居場所にしたい」といいます。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

華陽フロンティア高校=岐阜市西鶉
 華陽フロンティア高校 所在地は岐阜市西鶉。1931年に設置された岐阜夜間中学を起源とする定時制通信制の県立普通科高校。在校生は1年生から4年生まで約750人。

 ―華陽フロンティア高校の特色は。

 本校は「誰でも学べます!応援します!」がコンセプトで、定時制と通信制がある。定時制は始業時間が違う3部制で、午前から登校する生徒もいれば夕方からの生徒もいる。

 二つ目の特色は多様な生徒が多くいるということ。悩みを抱えている生徒もいる。教職員一人一人がカウンセリングマインドを持ち、生徒に寄り添っていこうとしている。

 三つ目は生徒の社会的自立を大事にしていることだ。社会的自立ができるよう生徒を指導していく。

 今年1月に新校舎で授業が始まった。新校舎になり、生徒たちの相談を受ける機能が非常に高くなった。

 ―どういった生徒が多いのか。

 全国の統計によると全日制・定時制の生徒は減少傾向だが、通信制の生徒は増えている。

 本校の生徒の中には不登校経験者、外国にルーツがある、病気を抱えていたり家庭環境に悩んでいたりする生徒がいる。本校の生徒のうち、不登校経験者は定時制が3分の1、通信制は3分の2以上だ。生徒を支援し、再チャレンジできる学校であるべきだと私も教職員も考えている。

 ―定時制の特徴は。

 定時制の特徴の一つが3部制。これにそれぞれ3年間、4年間で卒業を目指す「3修」「4修」コースが加わる。自分の生活リズムや体調に合わせて3修か4修か決める。

 Ⅰ部3修は午前10時35分から始まる。全日制の高校より2時間始業が遅い。Ⅰ部4修とⅡ部は午後1時からで、Ⅲ部は午後5時から午後9時20分までだ(Ⅲ部は4修のみ)。

 本校はアルバイトが可能だ。4修でも、高卒認定試験により3年で卒業できる。

 基礎学力定着を目指し、誰一人取り残さない教育を目指している。自己肯定感、自己有用感を高めるために、社会的に自立できる人材育成を目指している。

 具体的には担任を各クラス2人配置している。中学校までの学習範囲を取り入れ、学び直しをカリキュラムの中に入れている。国語、英語、数学を中心に習熟度別授業を実施。少人数授業や2人の教師で教えるチームティーチングで勉強しやすい、理解しやすい授業を目指している。通信制でも取り組んでいるが、コミュニケーションを学ぶ学校独自の科目もある。

大和谷淳校長

 ―通信制は。

 通信制では生徒の多様性を尊重し、生徒の学びを保障することを考えている。分かった、できた!という分かる喜びを感じられる学習支援を目指している。週1回のスクーリング(対面授業)があるが、自学自習が大事。自己管理が通信制の特徴の一つだ。

 そのサポートにICTを活用している。...