2024年10月25日に、JR高山線は全線開通90周年を迎えました。25、26の両日は、記念の臨時列車やイベントなどで、沿線がにぎわいました。岐阜新聞でも、25日付紙面で特集記事を掲載しています。今回は、その特集紙面に掲載した貴重な写真も交えながら、高山線を走った車両の一部を紹介します。

◆走行写真があったC58

 紙面に掲載した写真の一枚が、稲葉郡鵜沼町(現在の各務原市)を走る蒸気機関車C58。368号機が高山線の客車列車を引いている絵柄でした。

 特集紙面の記事は、私が書きました。写真については、1960年代から90年代にかけてのものは、岐阜新聞のデータベースを検索して、紙面に掲載された写真を使いました。

高山線の客車列車を引くC58=1963年ごろ、稲葉郡鵜沼町

 新聞紙面で鉄道車両が載る機会は、登場や引退で、大きな話題になったときが大半。今回も、写真を探すと、機関区内でサヨナラ装飾をつけたものも出てきました。その中で、普段の姿と思われる列車走行シーンの写真を掘り出すことができました。

 高山線を走った蒸気機関車は、ほかに大正時代に登場して国鉄の蒸気機関車最末期まで活躍した9600や、蒸気機関車の代名詞ともいえるD51などもあります。

除雪車とともに公園で保存されている9600=2021年1月、高山市昭和町

 このうち、高山市、それも高山駅に隣接する公園に、9600の19648号機が除雪車とともに保存されています。きれいに保たれていて、蒸気機関車が走った時代を今に伝えています。

◆エンジンの数は…キハ28・58

 1980年ごろの高山駅構内を伝える写真も見つけました。ディーゼルカーの急行が、高山駅の1番線から岐阜方面に向かっているさまが読み取れます。

1980年ごろの高山駅構内。キハ58などが連なった急行列車

 このころの国鉄の急行型ディーゼルカーの主力は、キハ58・28。エンジンが二つあるものがキハ58、一つならキハ28でした。

 さらに細かいことを言い始めると、信越線の碓氷峠向けに台車を変えているキハ57など、さまざまな形式も存在します。

 この写真で見分けることは… すいません。先頭車両の形式は、判定を断念しました。

◆90年代半ばでもモノクロ写真

 特急「ひだ」の車両は、現在のHC85系が3代目になります。

最新鋭のハイブリッド車両HC85系=2024年10月、下呂市小坂町

 1968年の運転開始時から90年ごろまで走っていたのは、国鉄型のキハ80系。先頭車両のキハ82の1両が、名古屋市のリニア・鉄道館に保存されています。

下呂温泉街を背景に飛騨川を渡るキハ85系=2020年12月

 2代目のキハ85系は1989年登場。「ワイドビューひだ」の愛称で、沿線の人々や観光客に親しまれました。

 

 そして、現行のHC85系。営業運転は2022年7月から。最新鋭のハイブリッド車両として、飛騨路に新たな歴史を刻んでいます。

 

 歴代の特急「ひだ」の写真は、現行のHC85系と、先代のキハ85系に関しては、...