岐阜県美濃加茂市の美濃太田駅と郡上市の北濃駅を結ぶ長良川鉄道越美南線。1934年の全線開通から、今年の夏で90周年を迎えました。12日には、関市の関駅東側広場で全線開通90周年記念感謝祭が開かれます。これを前に、秋の奥美濃で列車に揺られてきました。感謝祭の情報も紹介します。

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長良川鉄道の列車。線路際ではススキが揺れる=郡上市美並町

◆徐々に延伸

 越美南線で最初に開業した区間は、1923年の美濃太田駅から美濃町(現美濃市)駅。ここから延伸を重ね、郡上八幡駅まで線路が延びたのは1929年。

国登録有形文化財に指定されている郡上八幡駅の駅舎=郡上市八幡町

 郡上八幡の駅舎は国登録有形文化財に指定されていて、昭和初期の鉄道風景を今に伝えています。

 さらに延伸を続け、1934年8月16日に美濃白鳥駅から北濃駅間が開業しました。

◆感謝祭の記事

 さて、感謝祭の予告の記事は、岐阜新聞の紙面と「岐阜新聞デジタル」に出ています。

越美南線90周年、美濃太田駅の「釜飯」を再現 長良川鉄道12日に感謝祭、関駅・列車運転台での記念撮影も

 「岐阜新聞デジタル」は、10月1日にスタートしたウェブページ。これまでのウェブページ「岐阜新聞Web」と、紙面ビューア「岐阜新聞電子版」を統合、リニューアルしました。

 トップページの「イベント・レジャー」のところをクリックまたはタップすると、これから開かれる催しや今行われているイベントの情報が出てきます。手前味噌ではありますが、県内のイベント予告などを分かりやすく伝えられるようになったと思います。

 感謝祭の記事は、10月4日付の中濃、東濃、飛騨地域向けの紙面で掲載しています。トップ位置で大きめの扱いです。この紙面は、従来の電子版と同様に、紙面ビューアで見ることができます。

 「岐阜新聞デジタル」はパソコンやスマートフォンでご覧になれます。ウェブサイトと紙面ビューア、お好みの読み方で岐阜県内の情報をご覧ください。

◆秋の郡上市

車両の乗降位置を示す板も越美南線全線開通90周年を記念したものに

 今回は郡上八幡からスタート。駅併設の駐車場にマイカーを置いて出かける「パークアンドライド」方式。駅の時刻表とにらめっこして、即席で行程を組み立てます。この日は自分の都合で、3駅だけ乗って「鉄分」補給をすることにしました。

 郡上八幡駅12時54分発の北濃行きに乗り、3駅先の徳永駅(郡上市大和町)まで向かいます。車両の乗降位置を示す板は、越美南線全線開通90周年を記念したものになっていました。

 徳永駅には13時7分に到着。この駅は無人駅ですが、広めの待合室があります。近くには大型の商業施設も集まっていて、買い物にも便利です。

美濃太田行きの列車=郡上市大和町

 徳永13時13分発の美濃太田行きの列車がやってきました。滞在数分でとんぼ返りという格好です。線路端ではススキが揺れています。

 郡上八幡に着くと、ホームには観光客の団体が待っていました。団体客が乗り込んで立ち客が出るほどとなった列車を見送りました。

 この日、観光列車「ながら」の姿を見かけました。今度は車で移動し、木尾(こんの)駅(郡上市美並町)近くでカメラを構えます。

秋色の郡上市内を走る観光列車「ながら」=郡上市美並町

 午後3時前。近くの踏切の警報器が鳴ると、深い赤色に塗られた車体の「ながら」がやってきました。

 このときの撮影地は道の駅からも近く、便利な場所です。道の駅にあったモニュメントは、かつてこの近辺に日本の人口重心地があったことを示すものでした。

 人口重心地は2000年代になると関市の東部へ移りましたが、この周辺は今も日本の真ん中あたりではあります。真ん中の秋の風景を探してはいかがでしょうか。(広瀬丈士)