佐賀県吉野ケ里町の財政協働課長だった男性=当時(58)=が昨年11月に死亡した経緯や原因に関し、町が第三者委員会を設置して調査する方針を固めたことが分かった。町が28日明らかにした。男性は伊東健吾町長から叱責を受けうつ病を発症していた。遺族は自殺だと主張。町長はパワハラを否定している。

 男性の死亡を巡っては、町の区長会の多良正裕会長が4日、町議会に経緯の調査を求め要望書を提出。町議会が21日に第三者委の設置を町に要望していた。

 遺族によると、男性は昨年4月、町長らとの面談で新庁舎建設に関する計画が甘いと指摘し、財政負担に難色を示した。町長は「俺が(課長職を)代えてやる。建設的な意見を言え」などと発言。男性はパワハラと受け止め、うつ病となり休職した後、公務災害認定を請求した。

 男性は昨年11月、副町長に「死をもって抗議する覚悟はできている」などとするメールを送った。翌日、佐賀市の林道脇に倒れているのが見つかり、死亡が確認された。