マンザナー強制収容所跡地で「慰霊塔」に献花する人=26日、米カリフォルニア州インディペンデンス(共同)

 【インディペンデンス共同】米カリフォルニア州インディペンデンスのマンザナー強制収容所跡地で26日、第2次大戦中に収容された日系人の苦難をしのぶ式典が開かれた。収容経験者らは当時使われた「敵性外国人法」を活用して不法移民の強制送還を進めるトランプ大統領を批判。「慰霊塔」に花や折り鶴をささげ、収容所で亡くなった人々を追悼した。

 カリフォルニア州トゥーリーレークの収容所で生まれたサツキ・イナさん(80)は演説で「米国で起きていることに対し、怒りと絶望を感じる」と語気を強めた。「歴史が繰り返されようとしている。傍観してはならない」と訴え、強制収容がもたらした悲劇を語り継ぐ必要性を説いた。

 1969年から毎年、式典を開いてきた非営利団体「マンザナー委員会」のブルース・エンブリー共同議長(67)は、マンザナー収容所で過ごした母親を持つ日系3世。壇上で、トランプ氏が敵性外国人法で移民社会を脅かしていると指摘し「民主主義が失われかねない」と危機感を表明した。