インド・パキスタン国境にあるゲート前で、国旗降納セレモニーをするインド兵(中央)。奥はパキスタン領内=3月2日、インド北部アタリ(共同)

 【イスラマバード共同】パキスタンは24日、インドとの貿易を停止し、国境を閉鎖するなどと発表した。両国の係争地カシミール地方のインド側支配地域で観光客ら26人が殺害されたテロを巡り、インドがパキスタンの関与を主張して報復措置を取ったことに対抗した。核保有国同士の緊張が激化し、国際社会の懸念が高まりそうだ。

 パキスタンはインドの措置について「一方的で不当」と非難。インドの航空会社がパキスタン上空を飛べないようにするほか、首都イスラマバードのインド高等弁務官事務所(大使館に相当)の態勢を縮小し、軍関係者に国外退去を命じた。

 カシミール問題を交渉で解決することなどを定めた1972年の「シムラ協定」を含む全ての2国間合意の停止も示唆した。

 インドは23日、両国を流れるインダス川の水資源配分を定めた条約の効力停止を発表。