神戸製鋼所の子会社が神戸市灘区に建設した石炭火力発電所2基について、大気汚染や地球温暖化の恐れがあり健康被害で平穏に生活する権利が侵害されるとして、周辺住民34人が神鋼と子会社、関西電力に対し稼働や発電の指示の差し止めなどを求めた訴訟の控訴審判決で大阪高裁(本多久美子裁判長)は24日、請求を退けた一審神戸地裁判決を支持し、原告側控訴を棄却した。
2023年3月の一審判決は大気汚染について、経済産業相が確定通知を出した環境影響評価(アセスメント)では稼働による窒素酸化物(NOX)などの排出量は増加するが、PM2・5などの住民への具体的危険は認められないと指摘。地球温暖化に関しても、地球上のあらゆる人為的な二酸化炭素(CO2)排出の総体と関連し、原告に生じる恐れのある被害と今回の発電所との因果関係は極めて希薄だとした。
一審判決などによると、2基は神戸発電所3号機と4号機。出力は計130万キロワットで関電に電力を供給している。