パレスチナ自治区ガザとの境界周辺に展開したイスラエル軍の戦車=23日、イスラエル南部(ロイター=共同)
 23日、イスラエル軍の攻撃を受けたガザ北部ガザ市の学校で、火に水をかけるパレスチナ人男性(ロイター=共同)

 【エルサレム共同】国連人道問題調整室(OCHA)は23日、パレスチナ自治区ガザの7割近くにイスラエル軍による立ち入り禁止地域や、移動制限区域があると発表した。イスラエルはイスラム組織ハマスに人質解放を求め、ガザへの支援物資搬入を停止しており、2023年10月の戦闘開始以降で「最悪の人道危機に直面している恐れがある」と懸念した。

 OCHAによると、医薬品の不足に加え、機能している医療施設の57%に当たる146施設が退避通告が出た地域にあり、住民への医療提供を妨げている。物資搬入停止で食料価格が高騰し、ジャガイモとタマネギの価格は戦闘開始前と比べ、千%以上も上昇した。

 英外務省は23日、英国、フランス、ドイツの3カ国外相による共同声明を発表し、人道支援物資の速やかな搬入再開をイスラエルに求めた。

 ネタニヤフ首相はエルサレムのホロコースト記念館「ヤド・バシェム」での式典で「ハマスへの圧力をかけ続ける」と演説した。ハマスは、拘束している人質兵士が「イスラエル軍の攻撃で殺される」と語る動画を公開した。