北海道苫小牧市の苫小牧港で昨年7月、川崎近海汽船の旅客フェリーが消波ブロックに衝突、座礁した事故で、運輸安全委員会は24日、船長が普段からレーダーなどの航海計器を使わず感覚に頼って入港していたことが原因だとする調査報告書を公表した。

 報告書によると、青森・八戸港発のフェリー「シルバーブリーズ」(8901トン)は昨年7月2日午前1時過ぎ、苫小牧港内の護岸の消波ブロックに衝突して乗り上げた。乗客乗員計140人にけがはなかった。

 船長は100回以上の入港経験があり、いつも通り港入り口の灯台の方位を目測しながら航行。正しい航路を外れ、衝突を避けようとかじを切ったが間に合わなかった。