宮城県石巻市の石巻港に接岸していた貨物船の倉庫内で昨年5月20日、作業員2人が意識を失いうち1人が死亡した事故で、運輸安全委員会は24日、酸素濃度が低く二酸化炭素(CO2)濃度が高い空気を吸ったのが原因とする調査報告書を公表した。積み込みを指揮した日本通運の担当者が、有害物質の濃度計測など安全管理をしていなかったと指摘した。
報告書によると、積み込まれたパームヤシ殻が雨水を含み、酸化と発酵が進んだことで、船倉内の空気は通常よりも酸素不足で二酸化炭素過多の状態となっていた。日通の担当者は、空荷で入港したため船倉内に危険はなく、安全に作業できると判断を誤った。