脱出シューターを滑る際の姿勢

 格安航空会社(LCC)ジェットスター・ジャパンの便が2023年1月、爆破予告を受けて中部空港に緊急着陸し、脱出シューターから降りた乗客1人が重傷を負った事故で、運輸安全委員会は24日、調査報告書を公表した。あおむけに滑って腰から着地したのが負傷の原因で、同社が安全に着地する滑り方を周知していなかったと指摘した。

 報告書によると、爆破予告があったのは成田発福岡行き501便エアバスA320で、乗客乗員142人全員がシューターで脱出し、うち10人が腰から落ちたり転倒したりした。60代の男性乗客があおむけの姿勢でシューターから飛び出し、腰の骨を折る重傷。他4人が軽いけがをした。

 ジェットスターは事故当時、脱出の際に着地姿勢が取れるよう上体を起こして滑ることを客席の「安全のしおり」などで周知しておらず、シューターの下で援助する役割を乗客に求めるとの規定もなかった。

 事故は23年1月7日に発生。501便に爆弾を仕掛けたとの電話が成田空港にあったが、爆発物は見つからなかった。