【サンパウロ共同】パナマ運河の港を運営する香港系企業の子会社とパナマ政府が交わした契約に、不正疑惑が浮上している。契約金の未払いがあるとパナマ監査当局が指摘し、検察は捜査に着手。疑惑の行方は、運河から中国の関与を排除しようとするトランプ米政権の動向にも影響しそうだ。
この子会社は、パナマ・ポーツ・カンパニー(PPC)。監査当局によると、契約更新に必要な3億ドル(約420億円)余りを払わず、港の運営で得た利益の一部をパナマ政府に支払うとした合意を満たさなかった。
PPCは声明で不正行為を否定。パナマ政府の要求額を超える金額を同国内で株式投資に回し、政府側に配当金を払っていると反論した。
PPCの親会社は、香港の大富豪が創業した長江和記実業(CKハチソンホールディングス)。トランプ大統領がパナマ運河を「取り戻す」と打ち上げた後の3月に、PPCが持つ運営権を米資産運用大手などに売ると発表した。ただ、中国政府は米側の圧力を受けた売却に不満を持つとされ、手続きが遅れている。