リハビリ支援アプリのデモ画面を見せる石渡達也さん=15日、東京都新宿区(画像の一部を加工しています)

 言語機能がうまく働かなくなる「失語症」を抱える東京都の石渡達也さん(50)が、人工知能(AI)を生かした失語症のリハビリ支援アプリの提供を計画している。IT関連の仕事を続けてきたが脳卒中で倒れ、社会復帰に苦労した経験を持つ。「同じ症状に苦しむ人の力になりたい」と願っている。

 アプリの名称は「スピーチ・リンク」。米オープンAIの「チャットGPT」を導入し「自己紹介」「雑談」などのメニューを選び約10分間話すと、言葉の明瞭さや表現の多彩さなど5項目で採点される。言語聴覚士からオンラインレッスンを受けられる機能もある。

 仕事で知り合ったエンジニアに開発を頼み、言語聴覚士の監修を受けている。9月の提供開始を目指し、運営費用はクラウドファンディング(CF)で賄う。

 2020年9月、脳卒中に見舞われ、右半身のまひや、失語症に悩まされるようになった。

 妻に「爪切りを取って」と言うつもりが「ホタルイカを取って」と発していた。

 言語聴覚士との訓練時間に制約があった経験が開発を始める動機となった。