水産庁は21日、2025年の日本のサンマ漁獲枠を前年比約14%減の9万5623トンとする方針を固めた。枠の設定を始めた1997年以降、初めて10万トンを割り込み最少となった。ただ近年の漁獲量は不漁続きで5万トンを下回っており、枠の設定による国内漁業や供給量への影響は限定的とみられる。
漁業者との意見交換会で案を示した。3月の国際合意を踏まえ、排他的経済水域(EEZ)内を7万9457トン、公海を1万6166トンとし、合計して枠を算出。5月2日の水産政策審議会を経て正式決定する。
日本の漁獲量は直近のピークだった08年に35万トン程度だったが、22年には1万8千トンと約5%にまで落ち込んだ。23〜24年は若干回復したが、記録的な不漁が続いている。原因として、日本近海の海水温上昇でサンマの回遊ルートが沖合に移動したことに加え、台湾や中国が公海で取り過ぎたことが指摘されている。
3月に9カ国・地域が参加する北太平洋漁業委員会の年次会合が開かれ、25年の総漁獲枠を10%削減することで合意していた。