2021年、都に対して実親の調査義務があることの確認などを求めて東京地裁に提訴に向かう江蔵智さん=東京・霞が関

 東京都立墨田産院(閉院)で1958年に出生直後、他の新生児と取り違えられた江蔵智さん(67)が都を相手取り、「生みの親」を調査することなどを求めた訴訟の判決で、東京地裁(平井直也裁判長)は21日、都に実親の調査を命じた。

 訴状によると、江蔵さんは58年4月に出生して間もなく、産院職員により、誤って別の両親に引き渡され、育てられた。母親が受けた血液型検査がきっかけとなり、その後の2004年、DNA型鑑定で両親と血縁関係がないと判明した。

 江蔵さん側が04年、都に損害賠償を求めて提訴。二審東京高裁が06年、産院での取り違えを認め、都に2千万円の支払いを命じた判決が確定している。