帝京大可児(中濃・飛騨2位)の富田櫂成が進化。選抜出場校・大垣日大(昨秋県1位)を撃破し、県ナンバーワン右腕に躍り出る―。春季岐阜県高校野球大会第2日は19日、大野レインボーなどで2回戦8試合を行い、今夏の岐阜大会シードとなるベスト8が出そろった。大野第2試合の2回戦屈指の好カード帝京大可児対大垣日大は、帝京大可児のエース富田が選抜を経験した大垣日大の中野翔真との右腕エース対決を制し、2―1で勝利した。第1試合では県岐阜商(岐阜1位)が5―0で中津商(東濃3位)を下し、9大会連続(コロナ中止の2020年除く)で岐阜大会シード権を獲得した。激戦の詳細を独自視点でリポートする。

◆エース対決で進化を証明 選抜出場の大垣日大に1失点完投

 1年秋から大型右腕として注目の帝京大可児のエース富田が、今春、見違える進化を遂げた。その証しが昨秋東海覇者で選抜出場校の大垣日大を1失点完投での撃破だ。

 140キロを超え、速いが打たれ、なかなか勝ちきれない。それが富田の評価だった。昨夏は2回戦県岐阜商戦に2番手で登板し、4失点でコールド負けを喫したマウンドに立っていた。秋は2回戦関商工戦で同点後に継投し、1失点し、敗戦投手となった。

 悔しさをバネに冬場に取り組んだのが、フォームと肉体両面の改造。フォームは足をまっすぐに上げていたのを、ひねりを加えるように修正。体づくりで体重を72キロから80キロ近くまで上げるとともに、これまでやってこなかった、お尻の筋肉を鍛えるデッドリフトに取り組み、筋力が大幅にアップ。球速も切れも格段にアップした。「正確に測ったことはないが、140キロ後半はきていると思う。夏には150キロが目標」と語る。

選抜出場校の大垣日大を1失点完投。進化して岐阜県ナンバーワン右腕に躍り出た帝京大可児のエース富田櫂成=大野レインボー

 さらに進化させたのが投球術。田口聖記監督も「春先から、うまく出し入れができるようになった」と指摘するように、武器の...