講演するFRBのパウエル議長=16日、中西部イリノイ州シカゴ(AP=共同)
 FRB本部

 【ワシントン共同】米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は16日、トランプ米政権による関税引き上げに関し「予想をはるかに上回るものだ」と指摘し、インフレ再燃と成長鈍化への警戒感を示した。一方、政策の経済への影響を見極める必要があるとして、利下げなどの政策調整に関しては慎重に判断する姿勢を維持した。

 中西部イリノイ州シカゴのイベントで講演した。米経済の現状は労働市場も含めて堅調だとの見方を示し、金融政策の運営に関しても「政策が明確になることを待てる良い状況にある」と従来と同じ表現で説明した。

 関税の影響については、短期的な物価上昇をもたらす可能性が非常に高く「影響がより長引く可能性もある」と語った。

 FRBは、金融政策を決める次回の会合を5月6、7日に開く。金融市場では主要政策金利を据え置くとの見方が優勢になっている。