【ニューヨーク共同】米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は18日、トランプ大統領が9日に相互関税の一部を停止した背景には、ベセント財務長官とラトニック商務長官による直談判があったと報じた。関税引き上げ強硬派でトランプ氏の腹心、ナバロ大統領上級顧問(貿易・製造業担当)がホワイトハウスの大統領執務室に不在の時間帯を狙ったという。

 2日に相互関税が発表されて以降、株価だけでなく通常は安全資産とされる米国債の価格も急落。ベセント氏らには市場の混乱を避けたいとの思惑があったとみられる。

 相互関税が全面的に発動された9日の朝、ベセント氏らはナバロ氏がホワイトハウスの別室で会議をしている間、執務室に駆け込み、トランプ氏に関税の一部を停止するよう説得。トランプ氏が交流サイト(SNS)の投稿で停止を発表するのを見届けた。

 ナバロ氏はトランプ氏支持者による2021年の議会襲撃事件に絡み、有罪判決を受け服役。トランプ氏が「私のために服役してくれた」と周囲に語るなど、信頼が厚いとされる。