オノデラグループが通販サイトなどで販売する冷凍すしのセット

 茨城県境町が、飲食店や給食事業を手がけるONODERA GROUP(オノデラグループ、東京)と連携し、すしを活用した町おこしを進めている。冷凍すしの製造・開発拠点の誘致やオノデラ傘下のすし店舗の出店といった設備投資を実施。雇用創出や交流人口の増加に期待を寄せる。

 境町は国のデジタル田園都市国家構想交付金を活用。すし店、製造拠点の総事業費はそれぞれ4億円超だが、うち約半分を交付金でまかなった。橋本正裕町長は「官民連携を強化し、地域の発展につなげたい」と意気込む。

 製造拠点では職人がすしを1日8千貫程度握り、特殊冷凍を専門とするデイブレイク(東京)の冷凍機を使う。食材の風味や食べ応えを損なわずに保存する高度な技術がある。赤身や中トロなどの10貫セットが5千円。境町のふるさと納税の返礼品や通販サイトを通じて販売する。

 1月にはオノデラ傘下のすし店舗が町内にオープン。東京や大阪など大都市を中心に展開する店が初めて地方に進出し、注目を集めた。