【ワシントン共同】米紙ワシントン・ポスト電子版は12日、米国での生活に欠かせない社会保障番号を管理する社会保障局が、実際には生きている移民6千人以上を記録上、勝手に「死亡」扱いにしていたと報じた。トランプ政権は不法移民の強制送還に躍起になっている。法的に死亡扱いとすることで移民を窮地に追い込み、出国を促す狙いとみられる。
同紙によると、死亡扱いされた大半はヒスパニック(中南米系)という。13〜16歳、70代〜80代の移民も含まれる。ホワイトハウスはいずれもテロや犯罪と関わりがあると説明しているが、詳細は示していない。国土安全保障省や実業家マスク氏が事実上率いる「政府効率化省」が主導した。
社会保障番号は身分証明として扱われ、社会保障局のデータベースは雇用主や銀行、不動産業者が個人の照会に使う。死亡宣告されると、年金などが受け取れないだけでなく、仕事や住居の確保に支障が出るほか、金融機関の口座も開設できない。データベースは管理が甘く、以前から悪用の恐れが指摘されていた。