【ホノルル共同】太平洋戦争末期に旧日本軍の特攻機が米戦艦ミズーリに突入してから80年となった11日、米ハワイの真珠湾で記念館として係留されている同艦で追悼式典が開かれた。特攻基地があった鹿児島県南九州市の塗木弘幸市長や、死亡した特攻隊員を手厚く水葬した艦長の孫らが出席。平和の意義を訴え、献花した。
塗木市長は式典で、平和な世界を築くために過去の戦争を語り継ぐ重要性を強調。「特攻のような非人道的な出来事が二度と起こらないよう、世界に呼びかけていきたい」と表明した。
80年前、鹿児島県の鹿屋基地から出撃した零式艦上戦闘機(ゼロ戦)はミズーリの右舷に体当たりして炎上、特攻隊員は即死した。艦長だったウィリアム・キャラハン氏は、国のために使命を全うした隊員に心を打たれ、水葬を部下に命じた。
キャラハン氏の孫ケリーさん(64)はあいさつで、祖父が太平洋戦争で兄を亡くしていたにもかかわらず隊員に敬意を払ったと指摘。戦争や貿易紛争は全ての人に害をもたらすと訴え「他者への尊重が、自分たちの尊厳も高める」と主張した。