羽田空港のスポットに並ぶ日航機=2024年12月

 日航が空港での業務全般を企画・管理する「空港本部」を、東京都品川区の本社から羽田空港に移転させることが12日、関係者への取材で分かった。羽田の駐機場で昨年に起きた機体同士の接触トラブルをきっかけに、安全やサービス面での業務負担の実情が分かり、潜在的な課題を把握して改善につなげるため、現場近くに管理部門を置くべきだと判断した。

 日航によると、空港本部は、就航する国内外の約100空港での仕事を管理し、円滑に進めるための企画・立案を担う。航空機の誘導や貨物の積み降ろしといった地上業務、カウンターや搭乗口での対応に当たる旅客業務が主な対象だ。

 昨年5月、羽田空港で日航の出発便が、駐機しようと入ってきた別の日航機と接触するトラブルがあった。原因調査の過程で、地上業務を担うグループ会社社員との会話から、時間的な制約によるストレスなど働き方に課題があると分かった。

 「潜在的リスクに気づかされた」と堀尾裕子空港本部長。「仕事を企画する側が積極的に聞かないと、やりにくいという声は出てこない」と移転を決めた。