9日、イスラエルが占領するヨルダン川西岸で、イスラエル軍の車両に石を投げるパレスチナ人(AP=共同)

 【エルサレム共同】イスラエル紙ハーレツは9日、パレスチナ自治区ガザで侵攻を続けるイスラエル軍が、最南部ラファを緩衝地帯にする準備を進めていると伝えた。南部に新たに設置した回廊までを含むといい、面積はガザ全体の5分の1ほどを占めるという。イスラエル軍はイスラム組織ハマスに人質の解放を求め、支配地域を拡大して圧力をかけている。

 イスラエル軍は、ラファと南部ハンユニスの間に軍事区域「モラグ回廊」を設置した。ラファとエジプトの境界「フィラデルフィ回廊」も掌握する。ハーレツによると、両回廊の間が緩衝地帯となり、面積は約75平方キロ。

 イスラエルのカッツ国防相は9日、モラグ回廊を視察し「占領や人道支援物資の停止がハマスへの強い圧力となっている」と主張した。イスラエルメディアが報じた。カッツ氏はハマスが人質解放に応じれば、現在実施する攻撃を「直ちに停止する」とも語った。

 一方、イスラエル軍はガザ北部でも攻勢を強めている。