アクセルスペースが夏に打ち上げる技術実証用衛星=9日午後、東京都中央区

 小型地球観測衛星の運用やデータ販売を手がけるアクセルスペース(東京)は9日、新型衛星を2026年に7機同時に打ち上げる計画を発表した。運用中の5機と合わせ、同じ地点を観測できる頻度が現在の2〜3日に1回から1日1回へ向上する。技術実証用の衛星を今夏に打ち上げる。

 同社の衛星は可視光と赤外線を捉える。企業や政府機関が画像やデータを購入し、農地・森林の状況把握、地図作成に利用している。新型衛星には水を透視しやすく沿岸や浅瀬の観測に適したセンサーを追加。中村友哉代表取締役は記者会見で「(環境関連投資に関心の高い)金融分野などの企業とも手を組み、新しい使い方を作りたい」と話した。

 アクセルスペースの衛星は、24年1月の能登半島地震で被災地を撮影し状況把握に活用された。新型衛星には運用中の衛星より波長の短い光を捉えるセンサーも組み込む。同種のセンサーは23年にH3ロケットの打ち上げ失敗で失われた宇宙航空研究開発機構(JAXA)の観測衛星「だいち3号」も搭載していた。