カスタマーハラスメント(カスハラ)が社会問題化する中、自治体でも多くの職員が暴言や交流サイト(SNS)での中傷に悩まされている。「公僕」を強く意識する住民が高圧的な態度を取るケースが多いとみられ、専門家は「主張が明らかにおかしい場合、対応を打ち切ることも手段の一つだ」と指摘する。
共同通信は今年2〜3月、都道府県を対象にカスハラに関するアンケートを実施。回答には自治体職員の被害例として、「『役立たず。税金で食っているくせに』などの暴言」(宮城県)、「一日数十〜数百回の無言電話」(福井県)、「SNS上で特定職員の名前や写真をアップし誹謗中傷」(滋賀県)などの記載があった。
自治体職員は、税金からの給料支払いなどを背景に過度なクレームにさらされやすい立場にあるとされる。
東京都での勤務経験がある、「職場のハラスメント研究所」の金子雅臣代表理事は「カスハラに発展させないため、職員の対応力向上も求められる。上司が解決に向けて多くの選択肢を持ち、うまく介入していく必要がある」と話した。