【ロンドン共同】北欧やバルト3国に囲まれるバルト海で昨年11月以降、海底ケーブルが相次いで損傷している。ウクライナに侵攻し欧州を敵視するロシアの破壊工作が疑われる中、各国は捜査と警戒を強化した。ただ故意か事故か特定は容易ではない。広い海に張り巡らされたケーブルを守り切るのは困難だ。
「深刻な状況だ」。スウェーデンの排他的経済水域(EEZ)で2月に発覚した海底通信ケーブルの損傷について、クリステション首相はX(旧ツイッター)にこう投稿した。このケーブルはフィンランドとドイツを結び、総延長は約1170キロ。昨年11、12月にも傷つけられ、船が故意にいかりを下ろしたまま航行したことが原因だと疑われた。
バルト海のケーブル損傷は2023年10月に多発した。一度は止まったが、昨年11月から少なくとも6件が確認されている。
12月にはフィンランドとエストニアをつなぐ送電ケーブルに被害が生じ、フィンランド警察がロシア産原油を積んだクック諸島船籍の船を拿捕した。