ミャンマー中部マンダレーの公園で、記者を取り囲んで避難生活の苦しさを訴える女性たち=1日(共同)
 ミャンマー中部マンダレーの公園に敷いたシートの上で過ごす人たち。夜は蚊帳をつって寝るという=1日(共同)

 【マンダレー共同】ミャンマーの大地震で最大の被災地となった中部マンダレーには、被災者の怒りが充満している。崩壊した建物の捜索と被害者救助は遅々として進まない。被災者向けの避難所もなく、多数の市民が野宿を強いられている。先の見えない避難生活で疲労と不満をため込んだ市民は、軍事政権への怒りを公言し始めた。獄中の民主派指導者、アウンサンスーチー氏への郷愁も募る。

 3月28日に発生した地震の死者は2700人を超えた。さらに増え続ける恐れが強い。

 「地震発生からもう丸4日だ。なぜ遺体も出てこない」。マンダレー中心部。富裕層向けの11階建てマンションが崩壊した跡地で1日夕、息子の医師ナイリンさん(36)の救出を待つ父親がまくしたてた。「息子の部屋は4階。場所も分かっているのに」

 がれきの下には数百人の遺体が埋まっている恐れがある。弟イートゥッタイさん(44)の救出を待つ姉タータースーさん(50)は「救助隊は寄せ集めで連携が取れていない。だから捜索も進まない」と非難した。