青森県の宮下宗一郎知事

 関西電力の原発で出た使用済み核燃料約400トンをフランスで再処理する実証研究計画を巡り、青森県の宮下宗一郎知事は1日の定例記者会見で、同国での再処理で生じ、日本に返還される高レベル放射性廃棄物(核のごみ)は、県内の一時貯蔵施設の受け入れ対象外との認識を示した。

 関電の原発では使用済み核燃料がたまり続け、立地する福井県が早期の搬出を要請。関電は使用済み混合酸化物(MOX)燃料の再処理実証実験として、高浜原発から2027年度以降に計400トンをフランスへ搬出する計画だが、返還される廃棄物の取り扱いについては未定で「日仏間で協議する」としている。

 日本がこれまで英仏に委託した使用済み核燃料の再処理では、過去に締結した協定に基づき、返還された高レベル廃棄物を日本原燃の施設(青森県六ケ所村)で受け入れてきた。しかし県は、今回の実証研究による廃棄物は協定の対象外との姿勢で、宮下氏は「(受け入れ先は)青森県が考える問題ではない」と述べた。