【ネピドー、バンコク共同】ミャンマー中部マンダレー近郊を震源とする28日の大地震は、2021年のクーデター以降の混乱と米欧の経済制裁で疲弊した経済への追い打ちとなった。被害が甚大な地域は国内有数の物流拠点や穀倉地を抱えており、地震の影響の長期化に懸念が広がる。国内には軍事政権の統治が及ばない地域もあり、人的、物的被害の全容は見通せない。
商都のマンダレーは隣国である中国、タイ、インドを結ぶ地に位置し、物流の要衝になってきた。製造業も盛んだ。地震では陸路のインフラが損壊し、空港も被災した。最大都市ヤンゴンの日本企業関係者は「マンダレーが壊滅状態になると、経済に深刻な打撃だ」と危惧する。
マンダレー近郊のチャウセで家電用品店を営むキンマウンソーさん(61)は、クーデターを機に陰った景気が「より早く、さらに悪くなるはずだ」と肩を落とした。店は大きな被害を免れたが、商品の流通が鈍り、売り上げも落ちると不安を募らせる。