投資先企業での議決権行使の内容を開示するよう促すルールの影響で、国内の機関投資家が取締役選任議案に反対するケースが増えたことが、早稲田大の好川透教授らの研究で分かった。信託銀行などの機関投資家は投資先企業の株主であると同時に取引相手という顔も持つため、反対することに遠慮がちだったとされる。「なれ合い」とも評されてきた体質を改め、是々非々の対応に切り替えた可能性がある。
好川教授と慶応大の内田大輔准教授は、ルール改定が一定の効果を上げたとみている。一方、外国の機関投資家は改定の前後で対応に大きな変化は見られなかった。好川教授は「日本企業のガバナンス(企業統治)改革は海外の投資家に先導されてきた側面があるが、開示ルール改定で国内の機関投資家もより慎重に議案を精査するようになった」と話した。
信託銀行や生命保険会社などの機関投資家は、投資先企業に融資したり保険商品を販売したりすることが多く、取引先への配慮から経営を厳しく監視できていないとの指摘があった。