【ワシントン共同】米紙ワシントン・ポスト電子版は29日、国防総省が内部文書で、最優先で対応すべき課題として中国による台湾侵攻の阻止を挙げたと報じた。文書は、ロシアやイラン、北朝鮮の抑止で欧州や中東、東アジアの同盟国が役割を担う必要があるとして、防衛費を増額するよう圧力をかけるとも言及した。
暫定国家防衛戦略(NDS)指針と呼ばれるヘグセス国防長官の署名入りの文書で、3月中旬に国防総省で配布された。「中国による台湾占領の既成事実化を阻止し、同時に米本土を防衛することが国防総省にとって唯一のシナリオだ」と強調。中国への対応は潜水艦や爆撃機、特殊部隊の増強などに重点を置くと説明した。
ロシアの脅威への対応は、主に欧州の同盟国に委ねるとした。デンマーク自治領グリーンランドやパナマ運河へのアクセスを確保し、麻薬密売や国境警備で米軍が積極的に役割を果たすよう指示した。
トランプ大統領に近い保守系シンクタンク、ヘリテージ財団がまとめた政府再編構想「プロジェクト2025」と完全に一致する文言もあった。