【キーウ共同】AP通信は29日、ロシア軍が数週間以内に多方面からウクライナへの新たな攻勢に出る可能性があると報じた。前線の偵察や軍備増強の傾向が見られ、半年以上攻撃を継続する準備を整えているとの見方がある。トランプ米政権の仲介で停戦に向けた協議が続く中、ロシアの立場を有利にする狙いがあるとみられ、戦闘激化が懸念される。
ウクライナのゼレンスキー大統領は27日、北東部スムイ、東部ハリコフ、南部ザポロジエ各州でロシア軍が攻勢を準備していると説明していた。
APは、米政権が仲介する黒海での戦闘停止に関し、ロシアが無理な条件を付け「事実上拒否している」と指摘。ゼレンスキー氏も「ロシアは交渉を長引かせて、ウクライナの領土を奪うための時間稼ぎをしている」と批判した。
一方、ロイター通信は、ウクライナ軍がロシア西部ベルゴロド州で新たな越境攻撃を開始したと報じた。同州はウクライナ軍が昨年以降、越境攻撃を続けるクルスク州に隣接しており、劣勢のクルスク州からロシア軍の部隊を引きはがす狙いがありそうだ。