ミャンマー大地震の被害が伝えられる中、日本に住むミャンマー出身者は29日、変わり果てた故郷の様子に心を痛め「多くの人に助かってほしい」と願い、国際社会の支援を求めた。軍事政権の影響で支援が停滞することを懸念する声も上がった。
1993年に日本に亡命したデザイナー渋谷ザニーさんは、親族や知人の多くと連絡が取れない状態だ。自身が立ち上げた基金で支援するヤンゴン郊外の寺院は屋根や塀が崩れ落ち「ショックで怖い」。軍事政権下で不安定な国がさらにパニックに陥る様子を見ていられないといい「国際社会の支援が不可欠だ」と訴えた。
多くのミャンマー人が暮らし「リトルヤンゴン」とも呼ばれる東京・高田馬場。食料品店で働くチューチューウェーさんは、倒壊した建物をSNSで見て「信じられない」と表情をこわばらせた。
ミャンマーでは地震の経験はほとんどなく「多くの人が慣れていない。救助のノウハウがないかもしれない」。政権への不信も強く「少しでも多くの人に助かってほしいが、被害の正確な情報を出さないのではないか」と懸念した。