パネッタ元米国防長官(パネッタ公共政策研究所提供・共同)

 【ワシントン共同】オバマ米政権で国防長官や中央情報局(CIA)長官を務めたパネッタ氏は27日、トランプ政権が在日米軍の強化停止を検討していることについて、台湾の武力統一を排除しない中国への抑止力が損なわれるとして「大きな過ちだ」と警告した。「台湾は主権がある民主主義国家だ」と述べた。共同通信とのオンラインのインタビューで語った。

 米政府は、中台が不可分の領土だとする中国側の原則を踏まえた「一つの中国」政策を維持している。CIA長官や国防長官の経験者が台湾を国家として認め、政府と異なる見解を示すのは珍しい。

 パネッタ氏は中国による台湾侵攻が懸念され、北朝鮮も核兵器の開発を続けているとして「危険な世界に生きている」と強調。「中国や北朝鮮に対する抑止力を維持する責任から手を引くべきではない」と述べ、日本を含むインド太平洋地域に米軍を今後も展開し続ける重要性を訴えた。

 日米同盟や北大西洋条約機構(NATO)など「強力な同盟関係」があったからこそ第2次大戦後の平和は維持されたとの認識を示した。