日本製鉄は31日、東日本製鉄所鹿島地区(茨城県鹿嶋市)の第3高炉(炉容積5370立方m)を休止する。国内の鉄鋼需要減を受け生産体制の見直しを進めており、今回の高炉休止で国内10基体制となる。生産体制縮小は一区切りとなり、今後は高付加価値製品への投資を進め、海外の成長市場の需要を取り込んで収益力を高める。
鹿島地区の高炉は2基あり、うち1基を止める。同地区の2023年度の粗鋼生産量は643万トンで、休止に伴い3割程度減る見通しだ。地区内での配置転換などのほか、約80人は東日本製鉄所君津地区(千葉県君津市)に転勤する予定。
日鉄は20年に九州製鉄所八幡地区小倉(北九州市)の高炉1基を休止。21年に瀬戸内製鉄所呉地区(広島県呉市)の高炉2基と関西製鉄所和歌山地区(和歌山市)の高炉1基も止めた。一連の改革で日鉄全体の年間粗鋼生産能力は5千万トンから4千万トンに減少する。年1500億円のコスト削減効果を見込んでいる。
中国の過剰生産に伴う市況低迷で鋼材価格の低迷が続き、鉄鋼事業を巡る環境は厳しい。