報道陣の取材に応じるフジHDの金光修社長(左)とフジテレビの清水賢治社長。日枝久取締役相談役が退任する役員人事を発表した=27日午後、東京都港区

 元タレント中居正広氏と女性とのトラブルに端を発したフジテレビの問題で、親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)は27日、フジの日枝久取締役相談役が同日付で退任すると発表した。フジHDの取締役相談役の退任は6月の株主総会で決まる。フジは取締役を半減し、女性比率を3割にするなど経営体制を刷新する。日枝氏はフジサンケイグループ代表も退く。

 フジは3月末をめどに提出される第三者委員会の調査報告書を受け役員体制を見直す方針を示していたが、フジHDの金光修社長は前倒しの理由を「信頼回復のためには経営体制の刷新が大きなポイント。できる限り早急にやった方がいいと判断した」と説明した。

 1月27日にフジの港浩一社長と嘉納修治会長(いずれも当時)が引責辞任。だが企業のCM離れが続くなど事態は沈静化せず、フジ中枢に約40年君臨し、強い影響力を持つ日枝氏の辞任を求める声が高まっていた。

 新体制では女性取締役比率をフジHDで36・4%、フジで30%に引き上げ、フジの取締役数を10人に半減する。