児童相談所の虐待対応件数の推移

 全国の児童相談所が2023年度に児童虐待の相談を受けて対応した件数が過去最多の22万5509件に上ったことが25日、厚生労働省とこども家庭庁のまとめで分かった。前年度比で1万666件(5・0%)増え、現段階で統計開始から33年連続増。暴言などで心を傷つける心理的虐待が59・8%を占め、うち、子どもの前で家族に暴力を振るう「面前DV」が多かった。

 国は子育て家庭の支援拡充のほか、虐待事案に迅速に対応できるよう児相の体制整備を進めているが、なかなか件数増に歯止めがかからない状況だ。こども庁担当者は「重く受け止めている。子どもの命を守っていきたい」としている。

 虐待相談の種別は、心理的虐待が13万4948件で、うち面前DVが7万8914件だった。他には、身体的虐待が5万1623件(22・9%)、ネグレクト(育児放棄)が3万6465件(16・2%)、性的虐待が2473件(1・1%)となっている。

 相談経路は、警察11万6649件(51・7%)、近隣・知人2万2112件(9・8%)の順だった。