コンビニに掲示されたカスタマーハラスメント防止の啓発ポスター=2月、東京都港区

 カスタマーハラスメント(カスハラ)の防止に特化した条例を4月に施行する北海道、群馬、東京の3都道県の他に、愛知と三重の2県も制定する方針であることが24日、共同通信の都道府県を対象にしたアンケートで分かった。この5都道県以外にも岩手、栃木、埼玉、静岡、和歌山の5県が「制定に向けて検討している」と回答した。

 東京都の防止条例が昨年10月に成立したのを皮切りに、各地で制定の動きが活発化。国が対策強化に向け労働施策総合推進法などの改正を目指す中、自治体も対応を急ぐ現状が浮き彫りになった。法改正の動きを注視する、国が主導すべきだといった回答もあった。

 4月施行の3都道県の条例はカスハラを「著しい迷惑行為であって、就業環境を害するもの」などと定義して禁じる。正当な要望や意見は業務改善に資するため、顧客の権利を不当に侵害しないよう求めた。いずれも罰則のない「理念条例」で実効性の確保が課題。カスハラの可能性がある行為を指針で示す動きもある。

 愛知、三重はアンケートに「制定する」と回答した。